━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.00109━2010.6.9━━
■間違いだらけの資格取得術 ~メルマガ編~□    
◇第109号「転職後の私の資格活用法」◇
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■日本列島もいよいよ梅雨入りの様相です。

 今年もまた、ジメジメとした嫌な季節が来たようです。

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 資格コンサルタントの末木紳也です。

 
■前回は、商業コンサルタントとして必要な知識を、宅建の講座に通うことで

 身に付けたことをお話しました。

 私の場合、結局、宅建資格は形にはできなかったのです。

 でも、現役のコンサルタントだった私にとっては、資格とは所詮、専門

 知識を身に付ける一つのツール(手段)に過ぎませんでした。

 土地や建物に関する知識以外にも、会社設立の知識や税金の知識なども必要

 でした。しかし、プロジェクトはそんなこととは関係なく容赦なく進行して

 いくので、その都度、資格を取得している暇などとてもなかったのです。


■ところで、コンサルタントの仕事とは企業などに起きる様々な問題を解決

 することであると決め付けているような人はいませんか。

 私の会社のクライアントは100%、地方自治体でした。(それもせいぜい

 人口規模で数万人~10万人程度の地方の小都市が多かったのですが)

 自治体の新たな商業ビジョンを作るために、前段階として基本調査や基本

 構想などを手掛けるのですが、その調査手法は一風変わったものでした。


■地方の小都市では過疎化が進み、人口は流出しているのは当たり前です。

 だから、様々なデータの検証を重ねていくと、結局、大きな商業集積は

 成り立たないなんていう結論も出てきてしまう恐れも多分にありました。

 例えば、小売中心地性指数なんていうデータを出すと、この市にはとても

 大きなSCが成り立たないなんて結論がわりと簡単に出ちゃうのです。

「でっかいショッピングセンターを作ってもいいけど肝心の客がいねえよ」

 とか。

 人口が減少している一方で、商圏自体も縮小しているのだから当たり前

 です。でも、こんな時、コンサルとしてとても困りましたね。


■私たちコンサルタントの仕事は、地方自治体の問題解決であると同時に、

 新たなビジョン作りを担う役割もある訳です。

 そういう場合、言葉は悪いですが、いわば自治体に「夢を与える仕事」

 でもあるのです。

 ですから、腹の中ではとても商業的に大型SC(ショッピングセンター)は

 成り立たないと思っていても、それを口に出すことは絶対に許されないの

 です。これは不文律なのです。

 駆け出しのコンサルタントの頃は、データを検証した結果、お宅の市では

 大きなショッピングセンターは一切、ムリです。成立しないでしょうなんて

 ことを平気で堂々と、委員会で延べたこともあります。

(今思えば、ひとえに経験不足のさせる故です)


■そうしたら、その結果、どうなったか知りたくありませんか。

 九州のある地方都市では実際、こんなことがありました。

 まず、委員会で委員の方全員から撤退的に無視されるようになりました。

 市役所はもちろん、商工会議所、事業者からも大学の先生からもそっぽを

 向かれました。私が何を言っても相手にしてもらえない。

 でも、今考えて見ると、当たり前のことでした。自分がKYですからね。

 「通産省の紐付きコンサルと言えども、皆、一生懸命にビジョンを作って

 いるのに一体何を言い出すんだ、コイツは」

 「コイツに聞いても仕方がない。俺たちで計画書を作り直そう」という

 動きすら出てきました。(これはコンサルとしてかなりヤバイ展開です)


■そこで、また私の頭の中で、例によって大沢誉志幸の「そして僕は途方

 に暮れる」が流れて行きます。

 私は委員会が始まる前、いつも、「そして僕は途方に暮れる」を口ずさみ

 ながら今日の委員会を乗り切ろうと考えていました。

 遅まきながら空気を読んだ私は、結局、都合の良いデータをわざと使ったり、

(ちなみにデータの改ざんではない)多少ポテンシャルのありそうなこと、

 よいことをディフォルメしたりして、報告書を作り直しました。

 でも、こんなことさえコンサル経験不足の私にはわからなかったのです。


■データに正直に報告書を作るのだけが、コンサルタントの役割ではないと

 気がついた瞬間でした。

 でも、これはクライアントニーズに応えるためにコンサルタントには、

 必要なノウハウで、実はコンサルタントがよく使う手法なのです。

 コンサル経験の少ない未熟なコンサルほど、データに頼り切った報告書を

 作ろうとします。しかし、これが必ずしもクライアントの希望通りかと

 いうとそんなことはありません。

 こんなことはコンサル業界にいないと絶対にわからないし、そもそも気が

 つかない訳ですが。


■しかしそんなある日、ふと気がつくと同僚や出向社員は皆、去り、私は

 コンサルティングファームでも一番、最も古巣の社員になっていました。

 コンサル会社に転職して6年目の春のことでした。

 私の頭の中は定番の「そして僕は途方に暮れる」から

 「そして誰もいなくなった」に変わったことを感じる瞬間でした。

 「そろそろオレもコンサルとして独立開業を考えてもいい頃かも」

 柄にもなく、私は自分が独立するイメージを膨らまして、一人にやけて

 いました。

 その後に、どのような地獄が待っているかもまったく知らずに。

 知らないことは幸せなことで。この続きはまた次回に。 

 本日もご愛読いただきありがとうございました。
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◇編集後記◇ 
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先日、所用があって新大久保まで出掛けました。でも、驚いたことに、あそこの
駅前ってホントに日本語が通じないんです。韓国人、中国人、タイ人、インド人
マレー人、などのアジア系の人が日本人より多く、唯一日本を感じない街です。
コリアンタウンでは、食材が売られていました。でも、私は絶対に買う気にはな
らないなあ。
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