━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0019━2005.08.10 ━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□
◇第19号 「資格の沙汰もカネしだい?」 ◇
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■盛夏の頃、いかがお過ごしでしょうか?
資格コンサルタントの末木紳也です。
今日は資格試験のとカネの関係についての話をしたいと思います。
■ところで、もうすぐ終戦記念日ですね。今年は、終戦後60年を迎え例年以
上にテレビで戦争特集が組まれていますが、年月を経ても戦争の悲惨さは変
わるものではありません。原爆が落とされたこの時期には、私も日本人の一
人として特別な思いがあります。
でも、一体どうして日本は戦争に負けたのでしょうか?
資源の差、物資の供給ルートが確保できなかった、兵力の差、情報の量と質
の差等々多くの理由が考えられています。
でも、私は日本が負けた理由の一つは、日本人があまりにも精神力を重視し
過ぎた戦いをした結果ではないかと思っています。
日本人は元々武士の国ですから、精神論をとても好みます。強靭な精神力さ
えあれば何でもできる。これは、私たち日本人に脈々と受け継がれている考
え方です。
でも、考えて見れば塩を齧りながら竹槍で応戦しても、栄養十分で最新の兵
器を持った米軍に勝てる筈ありませんよね。
日本人の好きな言葉に「精神一到何事か成らざらん」という言葉があります。
私はこの言葉、大キライなんですが、会社の偉い方で使う方がよくいます。
かつて、私もサラリーマンをやっていた頃よく上司に言われました。
「君は精神が弛んでいるから売上達成できないんだ」
「気合が足りないぞ! ガッツで乗り切れ!」等々
■難関の資格試験でも突破するためには、強い精神力が必要と唱える人がいま
す。資格試験は、長期戦ですから最後には諦めなかった人が勝ちます。確か
にその意味ではこの考え方は間違っていないし、難関試験を突破するには強
い精神力が不可欠です。
しかし、本当に精神力さえあれば試験を突破できるのでしょうか?
■例えば、今ここに司法試験を目指しているAさんとBさんがいます。
Aさんは、典型的な苦学生です。大学を卒業してからも就職もせず、コンビ
ニでアルバイトし生活費を稼ぎながら司法試験を目指しています。
一方、Bさんは経済的に恵まれた家庭に育ったために、大学も付属からエス
カレーター式に無試験で進学。既に大学時代から司法試験に取り組んでいま
す。親元から通っているので衣食住の心配など生まれて一度もしたことがあ
りません。
こんなAさんとBさんですが、一体どちらが試験に受かりやすいのでしょうか?
精神力では断然ハングリー精神旺盛なAさんに軍配が上がります。
一方、ゆとりのBさんは受験勉強などの苦労は今まで知らず、時には勉強を
楽しみながら、司法試験の勉強をしています。Bさんの父親は実は会社を経
営していて、いずれBさんに引き継がせたいのですが、社会にでる前に法律
の勉強くらいしっかりやっておけと親から言われて、あえて司法試験を目指
す気になったのです。
■こんな二人が同一の試験を戦うのです。
例えば、あなたならどちらを応援したいですか?
私は親が公務員のごく中流家庭の出身でAさんに近い立場だったので、個人
的にはAさんを応援したいと思います。
仮に今、AさんとBさんの能力がほとんど同じだとします。その時、試験で
どちらが合格し易いのでしょうか?
客観的に見てもBさんの方がより合格し易いと思います。
それはどうしてでしょうか?
理由はBさんには、全てにおいてゆとりがあるからです。
経済的な余裕、時間の余裕、心の余裕等々。
■勝負は時として戦う前から既に決している場合もあるのです。かつて、日本
がアメリカと戦争して当然のように負けたように。
当時でも、本気でアメリカに勝てるで思っていた人はいなかったと思います。
例えば、資格試験でも結果を全て精神力に帰するべきではないのです。
資格試験は取り組む環境が大切です。
十分な勉強時間、睡眠時間、食事の確保、気分転換を図れた人が合格するの
です。合格するためのテクニックは二の次です。
年がら年中仕事に追われて、十分な睡眠を取れない人は長期的に見たら体を
壊すことはあっても勉強そのものが長続きしません。
現実の世界はいつも持たざる者より、持つ者の方が強いのです。
これが、資格試験の偽らざる姿です。精神力で解決できる程甘いものではあ
りません。
ただし、これは超難関試験のケースであって、難易度が中程度の資格試験ま
でならば、集中力と精神力が大いに効果を発揮することもあります。
一例を挙げれば、数ヶ月で宅建や行政書士試験を突破した人も数多くいるよ
うに。
■私は、最近強く憂うことがあります。
今後、日本では私の大好きな「一発逆転」の土壌が生まれにくくなるのでは
ないかと思うのです。
現代の東大の学生などは貧乏学生など少なく、むしろ一般の大学生よりもリ
ッチな生活を送っている学生が多いといいます。そもそも東大に入るために
は経済的に恵まれていないと子供の頃から塾などに通えず、幼い頃からの受
験戦争に勝ち残れないといいます。
このような傾向は大学入試だけでなく、その何年か先の資格試験にも確実に
影響を及ぼします。
そもそも法科大学院などは、完全なる経済的に恵まれた特別な人たち向けの
学校ですから、貧乏人は既に入り口の時点で門前払いです。
資格とはそもそも万人に平等なものであった筈です。年齢、学歴、性別、国
籍、家柄等のハンデを一発で逆転できる唯一の手段が資格だったのですが、
現実はそうはなっていない所に現代資格社会の歪みがあると私は感じています。
将来、弁護士や公認会計士等難関資格ホルダーが、全て裕福な家庭の出身の
受験エリートで固められてしまうのは忍びないと感じます。
資格士業も、事務処理能力や難関試験を突破する優秀さだけでは図れない別
な要素があると思うのですが、あなたはどのように思いますか?
本日もご購読ありがとうございました。
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☆今日のワンポイントアドバイス☆
■資格試験突破は身近な環境づくりから。精神力だけでは長期戦は戦えない。
■資格試験に最も大切なものは勉強時間とそれを可能にする心のゆとり。
■極端な話、金ならばいつでも稼げるが、失った時間は二度と戻らない。
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□資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
次回は「ファジー感覚のススメ」をテーマにお送りいたします。
お楽しみに!
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◇編集後記◇
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メールマガジンに対する意見、資格に関する様々な意見をお待ちしておりいま
す。現在、既に資格を目指している人、これから資格を目指そうと考えている
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