━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0030━2005.10.26━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□        
◇第30号「サラリーマンコンサルタントと独立コンサルタントの違い(後編)」◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
 今週は先週に引き続いて、サラリーマンコンサルタントと独立コンサルタン
 トの違いについて、お送りします。


■一般的なコンサルタントは独立開業する前に、どこかコンサルティング
 ファームに所属しキャリアを積むことが普通のパターンです。
コンサルタント会社には、政府系コンサルタント会社、金融系コンサルタン
 ト会社、外資系コンサルタント会社等があります。
いきなり、コンサルタントを開業するのは本人によほど自信があるのなら別
 ですが、かなり無謀なことです。


■では、どうしてコンサルタントにはキャリアが求められるのでしょうか?

 私は、これはコンサルティングファームに居れば、かなりの場数を踏めるか
 らだと解釈しています。
 コンサルタントは実態は、現場中心の泥臭い仕事の連続です。
 机上の空論を振りかざして講演だけで食べて行けるのは、タレント型の大先生
 くらいなものです。
 大部分のコンサルタントは、現場で汗して働いています。
 ですから、コンサルの実態はかなり肉体労働に近い仕事です。


■そもそもコンサルタントの仕事は世間ではかなり誤解されているようです。
 世間のイメージはコンサルタントの仕事は、知的で綺麗な仕事ばかりだと思
 われています。
 でも、十分な場数や経験を積んでいないコンサルタントが綺麗な仕事にばか
 り拘わっていると、いつか必ず馬脚をあらわしてスポイルされてしまいます。
 
 もちろん、コンサルタントに理論武装が必要なのは否定しませんが、それだ
 けでは十分ではありません。
 コンサルには、オリジナルの視点での問題解決や提案力が求められるのです。
 コンサルタントはエコノミストやアナリストと同義語ではありません。
 
☆自らの経験から導き出されたノウハウや経験則こそが、コンサルにとっての
 生命線になるのです。


■例えば、先週お話した官民一体でショッピングセンター等の商業集積を開発
 する街づくりコンサルタントを例に説明しましょう。

 プロジェクトの流れをコンサルの関わりで説明すると、大きな流れは、


       1.商業集積基本調査(商圏調査含む)
           ↓
       2.基本構想策定(街づくりの機能分担や方針)
           ↓
       3.事業主体作り(事業協同組合や第3セクターの設立)
           ↓
       4.実施計画書(収支計画、各種整備計画つくり)
           ↓
       5. 起工式
           ↓
       6.プロジェクト竣工

 
 この間も国や地方自治体との折衝、借入先の金融機関との折衝や出資のお願い、
 事業者やテナントの誘致等、やるべきことは限りなくあります。
 こんなプロジェクトですと、調査から企画、開発、竣工まで最低でも4〜5年
 程度はかかります。プロジェクトの進捗が遅れると10年もかかることも
 珍しくありません。
 (現に私が携わったプロジェクトでも、完成まで丸5年かかりました。)


■結局、何が言いたいかと言いますと、これだけ一つのプロジェクトに関わる
 と否が応でもプロジェクト全体が見えて来てしまうのです。
 大局的な見方ができるというか。視野が広がるといってもよいのですが、これは
 コンサルタントにとってキャリアを積む大きなメリットです。
 また、この間当然多くの失敗も経験しました。
 しかし、それこそがコンサルタントにとって貴重な財産やノウハウになるのです。
 一つのプロジェクトに5年も関わると、ちょうどゴルフで言えば、1ラウンドし
 たような感覚になってくるから不思議です。


■私は、コンサルタントとして将来独立したいと考えている人には、会社にいる
 間に少しでも多くの経験やキャリアを積んで欲しいと考えています。
 その際、カッコいい仕事ばかり求めないことです。多くの現場経験や失敗体験
 は独立する際に、きっと生きた使えるノウハウになります。
 「あの時の失敗が今役に立った」と思える時が必ず来るような気がします。
 

■一方、コンサルタントの中でも、理論構築や理論武装にのみ走っている人が
 数多くいます。
 自らのキャリア不足を、必死に他人の理論で埋めようとしているのです。
 この種のセミナーは、他人の理論の受け売りやビジネス書やどこかで仕入れた
 既に使い古された知識の焼き直しが多いのが特徴です。
 コンサルタントに必要な一番大切な現場経験が不足しているので、他人の理論に
 依存せざるをえないのです。
 その人のオリジナルな視点がもてないのが弱みです。

 本来、

 ☆コンサルタント=クライアントの様々な問題を独自な視点で解決してくれる人
          または提案してくれる人 
 
                          であって欲しいものです。


■かつて、コンサルティングファームの仕事はとてもキツイよとお話したことが
 あります。
 さらに、コンサルは、皆ノウハウの習得に必死なので、自分に必要なノウハウさえ
 学べば簡単に転職してしまう人も多いのが業界の常識です。
 業界3年、5年は想定の範囲内です。
 ハードな仕事と業界自体のドライな体質で、コンサル業界の転職が多いのも頷けます。


■しかし、私は、最近この考え方を少し変えつつあります。
 コンサルがキャリア重視という考え方は変わらないのですが、元々好きな分野が
 あればそれを生かしてコンサルタントとして独立しても面白いかなと。
 好きなことを極め、研究していくと一流のコンサルに近づくような気がします。

 100人いれば、100通りのマーケティングが存在する個重視の現代において、
 それがどんな分野であれコンサルティングは成り立つのだという考え方です。
 この考え方は、私にとって心時めくものですが、これはまたの機会にお話したい
 と思います。

 本日もご購読ありがとうございました。
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 ☆今日のワンポイントアドバイス☆

 ■コンサルタントの実態は、現場主義の泥臭い仕事である。

 ■理論武装も大切だが、現場経験に基づいたオリジナルのノウハウや経験則
  こそコンサルタントに求められるものである。

 ■好きなものの延長線上に、新しいコンサルティングフィールドを見つける
  ことも可能である。

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 □資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
 次回は「マネジメント能力の重要性」をテーマにお送りいたします。
 お楽しみに!
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◇編集後記◇
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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