━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0032━2005.11.09━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□        
◇第32号 「先入観を捨ててみよう!」 ◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。


■今日は、私の診断士受験時代の友人の話をしたいと思います。
 私は、28歳の時中小企業診断士の勉強を始めたのですが、その際同い年の
 友人がいました。
 当時、私は食品卸売会社の社員、彼は外国製タバコのPR会社の社員でした。


■受験勉強中は、講義終了後飲みながら互いに将来の夢や希望を語りあったり
 したものです。
 その後、私は内勤から営業に配置換えになって、だんだん学校に通えなくなり
 試験から遠ざかってしまったのですが、優秀なこの友人は勉強を続け、試験に
 一発で合格しました。
 彼は資格取得後調査会社に転職したのですが、ある日私は彼からとんでもない
 話を聞かされたのです。

 「今後、卸売業や流通業の研究をしようと思うんだ」
 
 私は、耳を疑いました。
 なぜなら、診断士取得後小売業のコンサルを目指すものはいても、卸売業や
 流通全般の研究をメインにするコンサル志望者は非常に少なかったからです。


■卸売業は、簡単に言えば問屋ということになります。
 日本は、独特な流通機構の中で問屋の役割は、長く、重要なポジションを占めて
 きました。日本では江戸時代から流通の主導権を握っているのは、メーカーや
 小売ではなくずっと問屋だったのです。
 今でも、日本橋には昔の問屋町の名残を残した地名がたくさんあります。
 しかし、一世を風靡した問屋も度重なるコスト削減の嵐の中、流通の中間に位置
 する卸売業者はだんだん排除されつつ運命にあったのです。
 

   日本の流通機構は、一般的にこのようなシステムで成り立っています。

      M   →   W    →  S   →   C
    (メーカー)(ホールセラー) (ストア)  (カスタマー)

 ※ここで言う、ホールセラーこそが卸売業(問屋)です。

 
■皆さんは、「問屋無用論」という言葉を聞いたことがありませんか?
 卸売業は、20年ほど前から将来性がないと言われ続けて来ました。
 こんな卸売業と運命をともにするなんて馬鹿げています。
 
 私は開口一番彼に言いました。

 「将来性のない卸売業の研究なんて、絶対辞めた方がよい。
  まして、素人で卸売業界で働いた経験など全くないじゃないか?
  中小卸売業の現場は、皆青息吐息だよ。キケン過ぎるよ。」
   
 しかし、彼の答は単純明快でした。

 「将来性がないのは競争に負けて淘汰される卸売業であって、卸売機能そのもの
 ではないよ。それに、小売業のコンサルタントなら星の数ほどいるけど、卸や物
 流を研究するコンサルタントは、日本にまだまだ少ないよ。だから、オレは十分、
 将来性があると思う」

 「なるほどな」と思いました。確かに大部分の弱小卸売業は、物流コスト削減の折、
 淘汰される運命にあるかもしれません。でも、流通機構の中で卸売機能はけっし
 てなくならないのです。
 専門的になりますが、集荷、配送機能などはたとえ卸売業がなくなっても必要不
 可欠な機能ですよね。
 それに気が付いた彼は、先見の明がありました。
 彼は、その後卸売業の研究会をすぐさま立ち上げてその中心人物になっていきま
 した。流通関係のレポートを手掛ける等、確実に流通コンサルタントの道を歩んで
 行きました。


■数年後、主催する研究会で卸売業に関する本を上梓し、その後は流通業界の権威
 とも言われる大学教授に認められてその監修の下で出版をし、いまや日本の物流
 研究やロジステックス研究のトップのポジションにいます。
 現在は、海外の流通業界の研究も続けながら、ビジネススクールでも教え、さらに
 大学でも教鞭を取って学生にロジステックスを教えています。


■私は、彼が成功した一つの要因は余計な先入観を持たなかったことだと思ってい
 ます。もし彼が私のように流通業界出身だったら、果たしてストレートに流通業
 のコンサルタントを目指したかどうか疑問です。
 彼が先入観を持っていたら、卸売業界が業界の常識として斜陽産業であることは
 十分気が付いていた筈ですから、他の業種や業界を目指していたことも十分考え
 られます。
 現に私などは、卸売業にいながら卸売業の将来性に見切りをつけて、診断士資格
 取得後、大部分が目指す商業コンサルタントに転身したほどですから。
 彼が目指した方向は、大部分のコンサルとは全く正反対なマイナーな方向というこ
 とになります。


■私は最近、マイナーな世界にこそビッグチャンスがあるような気がしています。
 皆が常々正しいと言っていたり、当然と思われていることも一度疑ってみること
 も、新たなビジネスチャンスを見つけるという意味では、よい事かもしれません。
 
 「だって、先生(課長)が正しいって言ったんだもん」じゃあ、小学生とな何ら
 変わりません。

 メジャーな判断が、いつも正しいのなら世の中、ホントにつまらなく味気ないですよね。
 いつも、必ずしも上の判断が正しいとは限りません。
 時には、自分の直感や判断を信じた方がよい結果を生む場合もあるのです。
 一旦、全ての先入観を捨てて自分の判断で物事を見てみたいものです。

 本日もご購読ありがとうございました。
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 ☆今日のワンポイントアドバイス☆

 ■業界の狭い常識や慣習を一旦疑ってみよう。

 ■マイナーな世界にこそビッグチャンスのシーズがある。

 ■これだと思って選んだ道ならば、自分の信念をトコトン信じてみよう。
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 □資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
 次回は「インターネットでは解決できぬこと」をテーマにお送りいたします。
 お楽しみに!
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◇編集後記◇
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 メールマガジンに対する意見、資格に関する様々な意見をお待ちしておりいま
 す。現在、既に資格を目指している人、これから資格を目指そうと考えている
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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