━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.004━2005.04.30 ━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□
◇第4号 コンサルタントに資格は必要か?(後編)◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
ゴールデンウイークの最中、いかがお過ごしですか?
前回は、「コンサルタントに資格は必要か」というテーマでお話させていただ
きました。
今回お話するのはズバリ、カネの話です。
興味ありませんか?
■まず、前回の復習を簡単にしておきましょう。
資格には、法に守られた「独占業務資格」と業を営むのに必ずしも資格を必要
としない「名称独占資格」の二種類あること。
コンサルタントで開業するのは、必ずしも資格の有無は関係なかったことでした。
■今、ここに二人の税理士AさんとBさんがいます。
Aさんは、税理士業20年のベテラン税理士です。父親が税理士でしたので、
大学卒業後も就職しないで、親の地盤とクライアントを全て引き継ぎました。
普通の税理士から見ると非常にラッキーなスタートですね。
一方、Bさんはサラリーマンの家庭に育ったため、大学卒業後は外食系の会社に
就職して、働きながら30歳で税理士資格を取りました。
■さて、ここで問題です。Bさんは、税理士資格を取得したにもかかわらず、
あえて税理士として開業しなかったのです。どうしてでしょうか?
そのまま、会社に居座ったのではありませんよ。独立心旺盛のBさんは、資格
取得前から会社を退職しようと入念に準備していました。
■答えは、彼はコンサルティング会社に転職したのです。彼は会計事務所よりもコン
サルティング業務を選んだのです。外食産業で得たノウハウや資格をコンサルティ
ング会社で生かそうとしたのです。
彼は、数年後独立して外食産業専門のコンサルティング会社を立ち上げました。
それから5年後、彼はコンサルティング会社の社長を務めながら、多忙な日々を送
っています。彼は今後も一介の税理士にはならない予定です。
■現在Aさんの方は、税理士として活躍していますが、最近では報酬の自由化や競合
激化などで、Aさんの父親の時代のような安穏とした時代ではなくなってきています。
税理士同士でダンピングが行われたり、従来では考えられなかったような相手の
クライアントに手を出すような人まで出てきています。
一般的に、「独占業務」の資格士業は法に守られていて報酬等も決まっているので
すが、近年の報酬の自由化で値下げ競争やクライアント獲得は熾烈さを増しています。
■Bさんは、コンサルティング会社で税理士業は一切していませんが、コンサルティ
ングフィーとしてクライアントと随時契約を交わしています。この費用は基本的に
見積りを提出さえすれば、こちらの言い値なのです。自分でフィーを決められるメリ
ットがあるのです。
■面白い話があります。
例えば、皆さんがスーパーで大根一本買うとき、この大根一本1万円ですと言われたら
買いますか?
普通は買いませんよね。
でも、もし「この大根、一年に100本しか作れない桜島産の大根です」と店員に言わ
れたらどうしますか? やっぱり、買いませんか?
あなたは買わなくとも、試しに買ってみようかなと思う人はいると思いますよ。
これは、大根に桜島産で、一年で100本しか生産されないという付加価値がついたから
です。付加価値が思わぬカネを生み出した例です。
付加価値は、独自のノウハウやスキルだけでなくブランドにも付加価値を生み出す力が
あります。
■私ごとで恐縮ですが、かつて私もコンサルティング会社の社員だったことがあります。
日本全国で各市町村の商業ビジョンや構想を策定する会社の一社員でしたが、基本的に
クライアントへの見積もりはこちらの言い値でした。
例えば、X市の活性化ビジョンには1000万円で、Y市の基本構想策定は1500万円とか。
実際は、行政の予算の範囲内であれば見積もりは、大体通ってしまうことが多いのです。
(注)断っておきますが、私の懐には一銭も入りませんでした。
もし、私がその中から何割か抜いていたら業務上横領でクビですから〜。
ちなみに当時の私の給料は手取り30万円ほどでした。
余談ですが、コンサルティング会社の社員は最初から使い捨てとして採用されています。
コンサルティング会社の離職率が高いのはそんな理由があるようです。
■結局、基本的にコンサルタントの報酬には、個人ないし会社のスキルやノウハウに対して
支払われる性質のものなのです。
ですから、このサービスや業務には1000万円払ってもよいと先方が判断さえすれば、
簡単に高額なフィーを支払うのがコンサルタント業の世界なのです。
著名な経営コンサルタントの先生の講演料が1回数百万円というのは、別に珍しくも
何ともないことです。力量(?)や知名度次第で高収入を得られるのがコンサルタント
の世界です。ですから、経営コンサルタントの○○先生や、外資系コンサルティング
会社の社長の○○さんは、講演や著作活動だけでも十分食べていけるのです。
■逆に言うと、堅く地道な商売を目指すならば、最初から資格に守ってもらった方がよい
ということです。必要以上に背伸びしないで資格士業に徹することです。
一方、ビッグなチャンスに賭けるのならば、コンサルタント業は非常に有望という
ことが言えると思います。
ただし、コンサルタント業にも確固たる実績がないと世間が認めないことも事実
です。一攫千金を夢見ても、実力がなければ資格士業よりも食えない現実もたくさん
あります。
■資格を目指すにしても資格士業で独立するもよし、コンサルタントとして独立するのも
よし。全ては自分次第なのです。確かに資格は私たちに夢を与えてくれますね。
でも、確実に言えることは今後は、資格士業だけでは食えなくなる人が多くなります。
そうすると、必然的にコンサルティング分野に進出せざるおえなくなります。
その時、自分で「これなら人に負けない」という分野を持っている人は強いです。
だからその時点で、資格士業にあえて拘る必要はないのです。
その時こそ、勇気を持って資格士業を脱皮するのです。
■あなたなら、たった一度の人生をどのように生きますか?
本日もご購読ありがとうございました。
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☆今週のワンポイントアドバイス☆
■資格士業はビジネスとしては堅いが、開業者の報酬の上限は概ね決まっている。
■コンサルタント業の報酬は、概ねクライアントとの間で決定される。
こちら側の言い値が通る場合も多々ある。
■将来、資格士業で独立するのかコンサルタント業で独立かで戦略が異なる。
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□資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
次回は「資格試験の効果的な学習法はあるか」についてお送りいたします。
お楽しみに!
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◇編集後記◇
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皆さんからの意見をお待ちしています。どんな些細なことでも構いません。
連絡先 info@shikaku-21.com
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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