━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0054━━ 2007.7.4 ━━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□        
◇第54号 「資格取得ブームは終わっていない?」◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
 
 7月を迎え、いよいよ夏本番という感じです。
 
 資格試験は夏に試験が行われることが多いので、受験生の皆さんは最後の追い
 込みや調整に余念がないことでしょう。

 私にも経験がありますが、暑い時期の試験ってホントにキツイですね。




■ところで、「資格と景気の関係」について前々回にお話ししたのですが、景気
 が回復したので資格取得ブームは既に終わってしまったと思っている人が多い
 のではないでしょうか。
 

 たとえば、平成18年度の法文系国家資格の受験者を調べてみました。
 すると、こんな数値がでました。
 

     資   格           受験者        前年比
 
     行政書士          70,713人     94.6%
     司法書士          31,878人    102.6%
     司法試験(法科大学院)    4,607人    220.7%
     司法試験(旧)       30,248人     76.7%
     税理士           54,203人     96.3%
     社会保険労務士       59,839人     97.7%
     中小企業診断士(一次)   16,595人    123.1%
     公認会計士         16,210人    105.8%
     宅地建物取引主任者    165,831人    101.9%
     不動産鑑定士         4,605人    201.8%
     マンション管理士      21,743人     83.0%
     管理業務主任者       24,779人     91.9%
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     合   計        501,251人     97.9%





■上記のデータから見ると、独立開業可能といわれる法文系資格受験者だけでも
 約50万人もいることがわかります。また、受験者数はトータルでみるとここ
 5年間、ほとんど変わっていないんですね。
 
 
 当然なことですが、資格には上記の資格だけでなくたくさんの資格があります。
 
 人気のあるところでは、簿記検定、英検、TOEICなどが国家資格ではあり
 ませんが有名な資格です。
 

 ちなみに、
 簿記検定は会計系資格の登竜門として根強い人気があり、年間50万人以上が受
 験します。
 
 英検は1級〜5級まであり、年間約250万人が受験しています。

 (小学生くらいの頃から受ける場合も多いからこれくらいの数字は普通です。)
 
 TOEICテストの年間受験者数も、2006年時点で既に150万人を超えて
 います。
 英検とは異なり、受験者全員が同じテストを受けスコアを競い合う試験です。
 
(一部の企業では英語能力を測るために受験を強制される場合もあります)

 



■法文系資格以外にも、簿記検定や英検、TOEIC等の語学系の資格を併せると、

 な、なんとその数は年間500万人にもなります。

 「え〜っ。500万人もいるのか」
 
 さらに、建築士等の技術系資格、情報処理系の資格を併せると受験者数は膨大な
 数になります。

 改めて、資格試験を受験する人の数の凄さに驚かされます。おそらく国民の何十人
 かに一人は何かしら資格を目指している計算になります。




■いくら景気が上向きになったといっても、資格取得ブームは全然、終わっていない
 受験者は減っていないことに今更ながら驚かされかます。
 
 
 企業の採用人員増や新卒の売り手市場の傾向は続いても、資格ブームは依然として
 去っていない。これはどういうことを意味するのでしょうか?

  
 資格ブームが終わらない要因はいろいろな解釈があります。



 たとえば、

 国民が日本の将来の姿を信用していない。自分で掛けた年金さえ貰えるかどうか、
 わからない時代に、自分の身は自分で守らざるを得ないことを皆、潜在的に感じ
 ている。資格はそのための自己防衛手段の一つであるという考え方です。
 

 あるいは、単に日本人が資格好きの民族であるだけかもしれません。

 好景気、不景気に関わらず、いつの時代でも不況期に備えるのは日本人の持つ勤勉
 性ゆえなのかもしれません。

 究極的には、自己啓発や趣味の一つなのかもしれません。




■資格を目指す理由は、別に人それぞれに異なって千差万別です。要因も実は一つだけ
 ではなく、複雑な場合も多いのです。
 
 
 しかし、私はただ一つ確信していることがあります。


 私たち人間は、何時の時代でも生きるために、好むと好まざると常に競争を強いら
 れています。生きていく以上、このバトルに参加しない訳には行きません。
 このバトルは死ぬまで続くし、しかも強制参加なのです。


 サラリーマンとして働くのなら、平社員よりも課長の方がいいに決まっています。
 地位が上がれば、給与も待遇も良くなりますし、自分の意見も通りやすくなります。
 
 だから、皆こぞって
 課長より部長、部長より取締役と、歯を食いしばって毎日社内で熾烈な出世争いを
 戦っているのです。

 こんな時、一瞬でも空しさを感じた人は数多くいるでしょう。


 「一体、オレは何のために生きているのか?」




■こんな時こそ、人は資格を目指すのではないでしょうか?はっきり出世争いに負けたと
 自覚していなくても保険として目指すという選択肢もあります。

 本音ではたった一度の自分の人生を、会社に翻弄されたくないという人も多いでしょう。


 こんな不安な時代に、資格は本当に出世の手助けや切り札になるのでしょうか?




■残念ながら、資格は取得しただけでは意味をもたらさないことに気が付きます。

 大部分の人は、資格を取得するか資格取得を諦めた時にこのことに気が付かされます。


 巷には有資格者が溢れ、石を投げれば○○士、××士に当たる時代の到来です。


 こんな時代、資格は幻想であることを早く気が付くべきです。資格よりも大切な
 ものは一人ひとりが持っているキャリアや専門性です。


 私は、資格を前面に出して通用する時代はもう終わってしまったと思います。




■それでは、資格とは全くムダなのかいうとそんなこともありません。


 確固たるキャリアや専門性、ノウハウを持っている人にとって、資格は時に大きな
 力を発揮してくれる場合があります。あなたのキャリアを大きく後押ししてくれる
 のが資格です。


 素晴らしいキャリアやノウハウを持っていて、かつ資格があれば「鬼に金棒」です。

 たとえば、
 年金のプロを自他とも認める人が、社会保険労務士を持っているのは十分意味が
 あります。

 でも、残念ながら現代は社労士の資格だけで仕事は取れる時代ではありません。



■こんな当たり前のことすら気が付かないで闇雲に資格を目指す人が多いのです。


 しかし、入り口でこのことを気が付いている人と気が付いていない人の10年後の
 差はきっと物凄く大きな差になるでしょう。


 本日もご購読ありがとうございました。

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◇編集後記◇
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 最近、読んだ本で面白かった本を紹介します。
 
 「五感マーケティング」高橋朗著(ナナ・コーポレート・コミュニケーション) 
 
 「マーケティングに五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)が不可欠」だなんて
 書いてあった本は、未だかってなかったように思います。この斬新な視点が興味
 深く読みました。面白かったのでお奨めの本です。新しい気付きがあるかもしれ
 ません。

 連絡先  ⇒ info@shikaku-21.com
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
  発行者Webサイト: http://www.shikaku-21.com

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