━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0057━2007.10.10━━━━━━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□
◇第57号 「資格を目指す理由」◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
秋本番の10月を向かえました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
紅葉前線は東京にはまだ届いていませんが、山間部は美しい季節になりました。
■先月、某ビジネス誌から「資格特集」の企画の取材を受けました。
この種の企画では毎回、聞かれることなのですが、
「今後、どういう資格が有望になるか?」
「どういう資格を取れば即キャリアアップになるか」といった類の質問です。
実際、私もこういう質問をされると返答に困ってしまいます。
■ぶっちゃけ、この先有望な資格なんて世界中どこを探してもないのです。
資格を取って成功している人は皆、陰で凄まじい努力をしています。
彼らは何も資格を取っただけで、成功した訳ではありません。
だから、上記のような質問は答えなんか出しようがないのです。
■ただ、一つだけ真実があるとしたら、資格とは他人に勧められて目指すべきもの
ではないということでしょうか。
言葉を変えれば、本来資格は自分の興味や関心なしでは目指すことはできません。
ある種、それは適正と言ってもよいかもしれません。
そもそも、
法律の勉強ななんて大嫌いな人(私のことです)が、司法試験や司法書士などの
資格試験を目指すことができるでしょうか?
おそらく、そのうちの99.99999%は途中で挫折するでしょう。
ー私は司法書士試験を僅か半年でギブアップしました。
■要は、司法試験や司法書士を目指している人は本来、皆法律が好きな人であることが
最低の条件です。
イメージとすれば資格を取ったら法の力で、多くの人を救済したいと明確なビジョン
を持っているような人です。
さらに、
資格試験には強烈なモチベーションが必要となります。このモチベーションの持続が
ないと、資格試験は途中で挫折してしまうことが非常に多いのです。
■一方、ツライのは社命で資格を目指す場合です。TOEICで○○百点取らないと、
海外勤務に付けないとか、宅建の資格がないと昇進試験を受けさせてもらえないと
いった例です。
これは本来、資格を目指す動機が逆です。この資格を取らないと会社でヤバそうだと
いう感じで資格を目指す訳です。本末転倒です。
実際、こういう例は巷にたくさんあります。
都銀勤務の行員Aさんは、ある日上司から突然呼び出され言われました。
「君もそろそろ中小企業診断士の資格を取った方がよい」
信託銀行のエリート行員Bさんは部長から、
「不動産鑑定士を目指せ」と合う度に嫌味を言われています。
日生のおばちゃんCさんはでさえ、支店長から
「ファイナンシャルプランナー」という資格を取るように勧められています。
数字を見るとジンマシンが出るほどのOLのDさんも課長から、
「経理部だから簿記検定くらい取れ」とけし掛けられています。
また、商社の英検、TOEIC等挙げれば枚挙に暇がないほどです。
これは、形を変えた企業内イジメかもしれませんね。
そして、そもそも本人がやりたくない勉強なら苦痛以外の何ものでもないですよね。
■結論から申しますと、自分に興味や関心のない資格に対してはいくら会社から
言われても見向きもしないことです。
まあ、無視して会社に居られなくなったり、昇進昇格に響くのなら仕方ないですが。
☆資格を目指す前に、今一度本当に自分の興味や関心があるのか冷静に考えてみて
ください。
そして、この先この勉強に耐えられる、また自分に適正があると思う資格に
チャレンジするようにしてください。
■もう一つ、資格試験に大切なことは環境づくりです。
環境とは、資格試験に取り組む環境ということです。
本来、「資格は仕事をしながら取るものだ」と言う方もいます。しかし、仕事を
続けながらの勉強は、それがたとえ自分の好きな試験であっても厳しいです。
十分な睡眠、食事など衣食住のバランスなしでは長丁場は戦えないのです。
気力が体力を凌げる期間はほんの一瞬だけです。何事も精神力で乗り切れるといった
世間のウソに騙されてはいけません。
■朝4時起床も大いに結構です。電車内での細切れの時間の活用も戦略的には正しい
かもしれません。
でも、ちょっと考えてください。
毎日朝4時に起きれば、遅くとも午後10時には床に就かねばなりません。
睡眠時間を4時間程度で済ますのならば話は別ですが、こんなことをして
果たして毎日、毎日体が続くのでしょうか?
私にはこんな生活が長続きするとは到底思えません。
火事場のバカ力というのもありますが、それも一瞬です。何度もバカ力を使って
いれば、おそらく過労で試験を受ける前に倒れてしまうでしょう。
■以前、私は「カネで買える物は思い切ってカネで買ってしまった方がよい」と
断言したことがあります。要は時間とはカネで買うことができるものですから。
しかし、その逆はどうでしょうか?それはあなたの貴重な時間を切り売りして
いることです。意味もなく会社に長居したり、長時間サービス残業をしたり。
おそらく、法科大学院生のほとんどは2年間なり3年間の時間をカネで買った
人と推察されます。カネのないものは、最初から試験にチャレンジできないの
が今の司法試験の現実の姿です。
■結局、それで、いったいお前は何が言いたいのか?
資格を目指すには「大きなモチベーション」と「環境」が不可欠なんです。
いい加減な気持ちなら最初から目指さない方が賢明です。
司法試験を目指す人は皆、何かを捨ててあるいは犠牲にしてでもそれ以上に得る
ものがあると思うから法科大学院に来ているのです。また、試験勉強を続ける環境
も大切です。
いずれにせよ、資格試験にはカネや時間のリスクが伴います。しかし、ビジョンが
明確な人や環境が上手く作れる人には、これからも人生一発逆転のツールになると
私は信じています。
本日もご購読ありがとうございました。
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◇編集後記◇
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目下、私の楽しみは山に登ることです。先月は長年の夢であった北海道の利尻島まで
行って利尻山に登頂しました。最後は脚が吊って遭難しそうになったのですが、何と
かピークまで辿り着くことができました。その後、フェリーで礼文島に渡りました。
天気は今いちだったのですが、とても楽しめました。食べ物も温泉も最高でした。
今年もあと数ヶ月、できる限り秋山に登り、山と紅葉と温泉を楽しみたいと考えてい
ます。
連絡先 ⇒ info@shikaku-21.com
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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